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「どうしても見つからないのなら、自分でもう一度、あの化粧品をつくってしまおうと考えました」 |
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「自分と母、そして、自分のまわりで懇意にしていただいている方だけで使いきれる分を、もう一度、メーカーさんに頼んで作ってもらおうと考えたんです。最初は、もちろん、それを販売するつもりなど全くありませんでした。貯金の範囲内で作ることしか考えていなかったんです」 |
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「わたしは以前の職場に就職する際、ダイエーのプライベートブランド(企業のオリジナルブランド)「SAVINGS(セービング)」の企画・開発部への配属を志望していました。実際には、ユニードとダイエー本社の合併で配属は叶いませんでしたが、実際の企画・開発の話を聞いた事もありました。素人考えだったかもしれませんが、量をとりまとめて交渉すれば、きっと、もう一度、あの化粧品を作ることは可能だと思ったんです」 |
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「そこで、あの化粧品の製造元さんの情報を調べ、直接、製造元メーカーさんに交渉にいきました。今から考えると、会社の社員でもなんでもなく、まったくのいちユーザーの立場のわたしが、製造メーカーさんに直談判にいったんですから、無謀もいいところだったと思います。(笑) でも、その時は、あの化粧品のことだけしか頭になくて、夢中でした」 |
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「製造元さんに伺って、直接、お話をさせていただいた時のことは、今でも忘れられません。・・・でも、どんな細かい話をしたのか、記憶が真っ白で、そこだけスッポリ抜け落ちたように覚えていないんです。(笑) とにかく、『あの化粧品を、母と私がどんなに愛してきたか』『あの化粧品が、どんなにわたしを助けてきてくれたか』『あの化粧品をもう一度作ってください』そのことだけを、時間が過ぎるのも忘れてしゃべり続けていたんだと思います」 |
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「わたしの話をきいてくださった製造元の担当者の方は、席についたときから、とても優しい目でお話を聞いてくださいました。わたしの話がとめどなく続くのを一旦制して『わかりました。森さん、一回だけ、あの製品をお作りしましょう。数はお話いただいた本数で十分です』といってくださって・・・・よほど嬉しかったのか、・・・・それからどうやって宿まで帰り着いたのか、それまでの道順をサッパリ覚えていないんです。(笑)」 |
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「出来上がった製品が届いて梱包をあけた時の母の目が、とても印象的でした。まるで、離れ離れだった懐かしい友人に、まためぐり逢えたような・・・。ボトルを一本手にとって、わたしにニッコリ微笑みかけてくれたんですよ。・・・そのとき、ああ、思いきって行動してみてよかったな、と、それまでの苦労がいっぺんに報われたような気がしました」 |
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「友人やお世話になっていた方にも、化粧品を配ってまわりました。もともと自分達の使う分だけ、といってもリピート分も含めて、かなり多めにお願いしていたので・・・・ それまで、その化粧品を使ったことがなかった方々にも、どんどん配っていき、おかげさまで、みなさんから、大変、喜んでいただきました」 |
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「 『森さん、これ、本当にいいよ』 『次、いつ出来るの?』 『友達に紹介したんだけど、ぜひ欲しいんだって・・・』 みなさんから嬉しい感想をいただくうち、自分の中で感じていた化粧品への思いが、自分だけのものじゃなかったんだ、と、自信と確信に変わっていきました。この化粧品がなくなってしまっては困る・・・もしまた、このレシピで化粧品が発売されたとしても、他の企業に任せていて、また製造中止になってしまったら、・・・・わたしのように悲しい思いをする人がどれだけ出るだろう・・・・そんな想いが募っていったんです。」 |
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「段ボール箱の残り少ないボトルを眺めて、涙が出たときもありました。これで、お別れなんて、がまんできないな・・・・」 |
『森さん、気を悪くされないでくださいよ。森さんのあの製品への愛着は、わたくしどもといたしましても、お聞きしていて、大変に誇らしく、うれしいお話でした。ですが、これを継続的に安定して製造していくというとこになると、もう、ロット、つまり本数の問題になってくるんです。一回の製造に最低、数百本単位のロットが必要になってきます。これは、もう、あなたのお友達やお知りあいのみなさんで消費できる数ではありません』 |
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「もう、このお話をいただいた時には、自分自身の中で決心がついていました。『はい、十分承知いたしております。わたしは、あの化粧品をベースに自分自身のブランド品を開発して販売していくつもりです。ついては、お仕事の話として、聞いていただきたいんです』」 |
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「わたしが、起業を決心した瞬間でした。その化粧品を足がかりに、それまでにいろいろな自然派・基礎化粧品を自分自身で試してきて感じた使用感、効果、プライスへの思いすべてを、自分自身のオリジナル新製品に、注ぎこもうと決意していたんです」 |